一般的に摂食嚥下障害は単独で生じることはなく、摂食嚥下に必要な器官の機能が低下することにより生じたり、疾患に合併する事で生じます。大きく、機能的・器質的・心因的原因に分類されることがあります。
◇機能的原因
脳血管障害(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血)
頭部外傷
パーキンソン病
筋ジストロフィー
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
など
◇器質的原因
舌炎・口内炎・扁桃炎
頭頸部腫瘍(口腔・舌癌・上顎癌・咽頭癌)
食道炎や潰瘍
食道の蛇行・変形・狭窄、食道裂孔ヘルニア
◇心因的原因
神経性食欲不振症、異食症
ヒステリー、うつ病
*上記の疾患の中で、最も多い原因疾患に、脳血管疾患が挙げられます。摂食嚥下障害の原因疾患の約40%が脳血管疾患ともいわれています。
また、近年注目されているものに、サルコペニアによる嚥下障害があります。
サルコペニアとは、筋肉減少症とも言われており、咀嚼や嚥下に必要な筋肉が低下した状態を言います。